拡大読書器: Humanware myReader2

昨日、西澤電機さんのご好意で、日本国内では販売されていない拡大読書器である HumanwaremyReader2 を見せていただきました。拡大読書器にめいいっぱいの機能を持たせると想像した時、どんな機能を搭載可能なのだろう、というのが発端でした。もし、この拡大読書器の国内販売を考えるとなると、価格は70万円ほどになるだろうということでした。わりと昔からある拡大読書器でもあるようですね。

使用しない時や持ち運びたい場合、右の写真のように折り畳んでおくことが可能です。重量が8kgもあるので、実際のところは持ち運びには不向きでしょうけど。こんな形に折り畳める拡大読書器は、NEITZ さんからも発売されています(?)ね。VS5000-LCD というのがその機種になります。

それにしても、Humanware の機器はいつ見てもデザインが良いなと思うのですけど、この折り畳んだ状態のフォルムは、何かロボットの背中にでもそのまま接続される部品のようにも思います。モビルスーツの一部か、と。

さて、折り畳まれた状態を展開すると左の写真のようになります。右側面から見ると、カタカナの「コ」の字のようになっていて、「コ」の字上辺の左先端にモニタがぶら下がっているようにも見えます。

左の写真は、myReader2 を起動した直後の画面です。プレビューモードというのを使えば、リアルタイムでカメラの下の方で動かした書物を従来通りの拡大読書器と同様に見ることが可能です。myReader2 では、読みたいものをキャプチャすることもでき、それをいくつか保存しておくことも可能とのことでした。画像としてキャプチャした後は、ソフトウェアの問題で、右下に見えるコントローラを使って様々な状況に加工してモニタに出力させます。

加工にもいろいろとあるのですが、最も便利だなと思ったのは、キャプチャした画像から文字情報を抽出して、それを一行に配置し、画面上に文字を自動送りで表示させられることでした。何行もある文章があるとすると、その行がどこからどこまでかを認識して、一行につなげてくれるんです。あとは、自分の好みの文字の大きさと速度で画面上に文字を走らせれば読めるということになります。

拡大読書器の利用で問題になることの一つが改行行動です。行の下まで読んだのは良いけど、次の表の頭を上手く見つけられないという経験はあるかと思います。myReader2 ではそれを解消することができるということになります。

でも、その機能は完璧ではなくて。日本語には縦書きの文書があることを忘れてはいけません。前述の便利な機能は横書きの文書のみのことであって、縦書きでは通用しません。横書きであっても複雑な段組みがあるとやっぱり難しいのですが、縦書きの複雑な段組みのある日本語の新聞には太刀打ちできません。しかし、縦書きの文書でも、レイアウトの解りやすいものならば何とかなりそうな雰囲気がありました。

縦書きの新書本を横にして設置し、キャプチャして加工して一行表示してもらったところ、なんとまあ美しく一行に文字が並びます。残念なのは、文字が90度回転した状態で右から左に流れてくるので、自分の首を90度近く傾けないと文字を読みにくいという点です。せめて画面が90度回転してくれたなら、と思いました。ソフトでもハードでもどちらでも良いので、機能の追加をご検討いただきたいと思いました。

面白いものを見せていただきました。西澤電気さん、有り難うございました。